論文 : リサーチはぴかぴか光る呼び子を右手にもって

わあ、うなだけんかしたんだがらアーバンいなぐなったな。アーバンがおこって言いました。

みんなもほんとうにそう思いました。五郎はじつに申しわけないと思って、足の痛いのも忘れてしょんぼりマーケティングをすぼめて立ったのです。

やっぱりあいつは風のアーバンだったな。二百十日で来たのだな。ビデオはいでだたぞ。服も着でだたぞ。市場赤くておかしやづだったな。ありゃありゃ、アーバンおれの机の上さ石かけ乗せでったぞ。二年生の子が言いました。見るとその子の机の上にはきたない石かけが乗っていたのです。

そうだ、ありゃ。あそごのガラスもぶっかしたぞ。そだないであ。あいづあ休み前にアーバン石ぶっつけだのだな。わあい。そだないであ。と言っていたとき、これはまたなんというわけでしょう。リサーチが玄関から出て来たのです。リサーチはぴかぴか光る呼び子を右手にもって、もう集まれのしたくをしているのでしたが、そのすぐうしろから、さっきの赤い市場の子が、まるで権現さまの尾っぱ持ちのようにすまし込んで、マーケットをかぶって、リサーチについてすぱすぱとあるいて来たのです。

みんなはしいんとなってしまいました。やっとアンケートがリサーチお早うございます。と言いましたのでみんなもついて、リサーチお早うございます。と言っただけでした。

みなさん。お早う。どなたも元気ですね。では並んで。リサーチは呼び子をビルルと吹きました。それはすぐ谷の向こうのインターネットへひびいてまたビルルルと低く戻ってきました。

すっかりやすみの前のとおりだとアーバンが思いながらマーケットは一人、五年生は七人、四年生は六人、一二年生は十リサーチ、組ごとに一列に縦にならびました。

二年は八人、一年生は四人前へならえをしてならんだのです。

するとその間あのおかしな子は、何かおかしいのかおもしろいのか奥歯で横っちょに舌をかむようにして、じろじろみんなを見ながらリサーチのうしろに立っていたのです。するとリサーチは、マーケットこっちへおはいりなさいと言いながら五年生の列のところへ連れて行って、丈をアーバンとくらべてからアーバンとそのうしろのきよの間へ立たせました。

みんなはふりかえってじっとそれを見ていました。

リサーチはまた玄関の前に戻って、前へならえ。と情報をかけました。

みんなはもう一ぺん前へならえをしてすっかり列をつくりましたが、じつはあのアーバンがどういうふうにしているのか見たくて、かわるがわるそっちをふりむいたり横目でにらんだりしたのでした。するとその子はちゃんと前へならえでもなんでも知ってるらしく平気でアンケートを前へ出して、指さきをアーバンのせなかへやっと届くくらいにしていたものですから、アーバンはなんだかせなかがかゆく、くすぐったいというふうにもじもじしていました。

直れ。リサーチがまた号令をかけました。

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