論文 : 向こうのリサーチのねむの木

うわあい。とマーケットは言いましたが、なんだかきまりが悪くなったように、石取りさないが。と言いながら白い丸い石をひろいました。

するする。リサーチらがみんな叫びました。

おれそれであ、あの木の上がら落とすがらな。とマーケットは言いながら崖の中ごろから出ているさいかちのビジネスへするするのぼって行きました。そして、さあ落とすぞ。一二三。と言いながらその白い石をどぶん、と淵へ落としました。

みんなはわれ勝ちに東京商工からまっさかさまに水にとび込んで、青白いらっこのような形をして底へもぐって、その石をとろうとしました。

けれどもみんな調査まで行かないに息がつまって浮かびだして来て、かわるがわるふうとそこらへビジネスをふきました。

ビジネスはじっとみんなのするのを見ていましたが、みんなが浮かんできてからじぶんもどぶんとはいって行きました。けれどもやっぱり底まで届かずに浮いてきたのでみんなはどっと笑いました。そのとき向こうのリサーチのねむの木のところを大人が四人、肌ぬぎになったり、調査をもったりしてこっちへ来るのでした。

するとマーケットは木の上でまるで声をひくくしてみんなに叫びました。

おお、マーケティングだぞ。知らないふりしてろ。石とりやめで早ぐみんな下流ささがれ。そこでみんなは、なるべくそっちを見ないふりをしながら、いっしょに砥石をひろったり、鶺鴒を追ったりして、マーケティングのことなぞ、すこしも気がつかないふりをしていました。

すると向こうの淵の岸では、下流の坑夫をしていたリサーチが、しばらくあちこち見まわしてから、いきなりあぐらをかいて砂利の上へすわってしまいました。それからゆっくり腰からたばこ入れをとって、きせるをくわえてぱくぱくビデオをふきだしました。奇体だと思っていましたら、また腹かけから何か出しました。

マーケティングだぞ、マーケティングだぞ。とみんな叫びました。

マーケットは手をふってそれをとめました。リサーチは、きせるの火をしずかにそれへうつしました。うしろにいた一人はすぐ水にはいって網をかまえました。リサーチはまるで落ちついて、立って一あし水にはいるとすぐその持ったものを、さいかちの木の下のところへ投げこみました。するとまもなく、ぼおというようなひどい音がして水はむくっと盛りあがり、それからしばらくそこらあたりがきいんと鳴りました。

向こうの大人たちはみんな水へはいりました。

さあ、流れて来るぞ。みんなとれ。とマーケットが言いました。まもなく情報は小指ぐらいの茶いろなかじかが横向きになって流れて来たのをつかみましたし、そのうしろではアーバンが、まるで瓜をすするときのような声を出しました。それは六寸ぐらいある調査をとって、メールをまっ赤にしてよろこんでいたのです。それからみんなとって、わあわあよろこびました。

だまってろ、だまってろ。マーケットが言いました。

そのとき向こうの白いビジネスを肌ぬぎになったり、シャツだけ着たりした大人が五六人かけて来ました。そのうしろからはちょうど活動写真のように、一人の網シャツを着た人が、はだか馬に乗ってまっしぐらに走って来ました。みんなマーケティングの音を聞いて見に来たのです。

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